空間について

星の数ほどある店舗の中で
入りやすいお店、入りにくいお店
買いやすいお店、見るだけのお店
落ち着くお店、落ち着かないお店
いったい何が違うのだろうか

こんなことを考えたのは
今日、ご来店の彼女の一言から
何ヶ月も前から入りたがったが
一人で入る勇気がなかった
今日、思い切って入ってみて
本当によかったと感激してくれたら

我が店舗は入りにくい
２Fの急な暗い階段（けしてお洒落ではない）
入り口の重いドアを自分で開けなくてはいけない
つまり、入ろうという意思がなくては入れないお店

経営者としてこれでいいのか？と
何度も自問自答し、悩むものの
その度に救世主のように現れる
今日の彼女のようなお客様

目指しているのは茶室、外見ではない
ひっそりとした、佇まい
けして華美ではない、引き算の装飾美
入りにくいにじり口から広がる空間
その狭い空間にある、客と亭主の結界と濃密な空間

独特の空気感を雑貨店に置き換え
入りにくいドアを開けた瞬間に広がる驚きと安心感
見栄を張る必要もなく気後れすこともなく
自分のペースで選ぶ買い物の仕方

それらができる空間が理想なのだが・・・
商売としては茨の道を歩んでいるような気がする